研究開発 プロセス開発
化学・プロセス研究所 プロセス開発部
理学研究科化学専攻修了 2018年入社

01
アカデミアではなく企業の道へ
有機合成化学の研究に打ち込んだ学生時代、将来の進路として、専門性を活かし研究者としてアカデミアに進む道も選択肢の一つとして考えていた永本。アカデミアでの研究も好きだったが、最終的に選んだのは企業でのキャリアだった。
「理由の一つは、視野を広げたかったことです。企業での研究は社会実装を前提とする場合が多く、さまざまな専門家と連携しながら成果を形にしていく過程で、自分自身が大きく成長できるのではないかと感じたのです」
そして最終的に選んだのが、旭化成で研究者として働くという道だった。
「以前から関心のあった資源・環境問題について、有機化学で課題解決に貢献できるのではと考えました。旭化成で開発されたある工業プロセスに関する論文を読んだとき、式で書くとシンプルな反応の中に触媒技術やプロセス技術が詰まっており、さらにラボの成果を実際の工場レベルまでスケールアップさせていることに驚きました。今まさにこうした挑戦が進んでいることがとても新鮮で、心を動かされました」
その上で最後の決め手となったのが社風だった。同じ研究室から旭化成に入社した先輩に話を聞くと、フラットかつオープンな社風で、若手の技術者がいきいきと研究に打ち込んでいるとのことだった。
「自分らしいテーマに挑戦したいとは思っていましたが、企業に入ると実際には難しいのでは、という不安も正直ありました。でも先輩から、若手にも大きな裁量が与えられ、自由度高く研究ができる会社だと聞き、“旭化成ならやりたいことができるはずだ”と感じたことが、入社を決めた一番の理由です」
「理由の一つは、視野を広げたかったことです。企業での研究は社会実装を前提とする場合が多く、さまざまな専門家と連携しながら成果を形にしていく過程で、自分自身が大きく成長できるのではないかと感じたのです」
そして最終的に選んだのが、旭化成で研究者として働くという道だった。
「以前から関心のあった資源・環境問題について、有機化学で課題解決に貢献できるのではと考えました。旭化成で開発されたある工業プロセスに関する論文を読んだとき、式で書くとシンプルな反応の中に触媒技術やプロセス技術が詰まっており、さらにラボの成果を実際の工場レベルまでスケールアップさせていることに驚きました。今まさにこうした挑戦が進んでいることがとても新鮮で、心を動かされました」
その上で最後の決め手となったのが社風だった。同じ研究室から旭化成に入社した先輩に話を聞くと、フラットかつオープンな社風で、若手の技術者がいきいきと研究に打ち込んでいるとのことだった。
「自分らしいテーマに挑戦したいとは思っていましたが、企業に入ると実際には難しいのでは、という不安も正直ありました。でも先輩から、若手にも大きな裁量が与えられ、自由度高く研究ができる会社だと聞き、“旭化成ならやりたいことができるはずだ”と感じたことが、入社を決めた一番の理由です」
02
CO2を利用した新素材開発に挑む
入社以来所属している化学・プロセス研究所は、旭化成のものづくり研究の中核を担う拠点である。現在取り組んでいるのは、CO2やその誘導体を利用した新規マテリアルを社会実装するための製造技術の確立だ。CO2を原料として有効利用する技術、さらにその技術によって初めて量産が可能になる新規の高機能マテリアルの開発を目指しており、最終製品としては、電子機器の部材や接着剤などが想定されている。
「二酸化炭素を回収して活用する技術として、世界的にも注目されているCCU(Carbon dioxide Capture and Utilization)関連領域です。他社がまだ成功していない独自プロセスの商業化を目指しており、現在はラボスケールから工業スケールへのスケールアップに挑戦している段階です。新しい素材から新しいビジネスが生まれ、それがカーボンニュートラルに貢献できる。そう考えると、とてもワクワクします」
このチャレンジに向き合う中で強く実感しているのが、石油化学製品を幅広く手がけてきた旭化成ならではの強みである。原料の上流から製品の下流まで一貫して事業を展開してきた歴史や、プロセス全体に対して蓄積してきた知見の豊富さ。そして、その企業姿勢にもそれは表れている。
「旭化成は、グループバリューの一つとして『誰に対しても誠実であること。』を掲げています。石化製品を長年扱ってきた会社だからこそ、その社会的責任としてCO2削減に真摯に向き合う姿勢が根づいていると感じています。そうした企業文化の中で研究に携われていることを、誇りに思います」
「二酸化炭素を回収して活用する技術として、世界的にも注目されているCCU(Carbon dioxide Capture and Utilization)関連領域です。他社がまだ成功していない独自プロセスの商業化を目指しており、現在はラボスケールから工業スケールへのスケールアップに挑戦している段階です。新しい素材から新しいビジネスが生まれ、それがカーボンニュートラルに貢献できる。そう考えると、とてもワクワクします」
このチャレンジに向き合う中で強く実感しているのが、石油化学製品を幅広く手がけてきた旭化成ならではの強みである。原料の上流から製品の下流まで一貫して事業を展開してきた歴史や、プロセス全体に対して蓄積してきた知見の豊富さ。そして、その企業姿勢にもそれは表れている。
「旭化成は、グループバリューの一つとして『誰に対しても誠実であること。』を掲げています。石化製品を長年扱ってきた会社だからこそ、その社会的責任としてCO2削減に真摯に向き合う姿勢が根づいていると感じています。そうした企業文化の中で研究に携われていることを、誇りに思います」
03
工業化に向けた開発の醍醐味
入社4年目のこと。ベンチ設備での新規モノマーの合成プロセス開発に取り組んでいた際、3つある工程のうち、2つめの工程で不溶物が配管内に詰まるという問題が発生した。ベンチ設備では詰まるたびに工程を停止して不溶物を除去しなければならず、生産効率を下げるだけでなく作業者の負荷も大きく、実機プラントでの安定操業は難しいと判断される状況だった。一方で、他に検討していたプロセスと比べてコスト面で明確な優位性があったため、解決すべき重要な課題として取り組むことになった。
「ラボスケールでは発生していなかった問題でした。この問題を解決するために、不溶物の分析に加えて文献も調べ、1つ前の工程での副生物が不溶物の原因になっていることを突き止めました。再度ラボで前工程から検討し、改めて実施したベンチ運転で不溶物が発生しないことを確認できました。専門である有機合成の知識を活かして原因と解決策にたどり着けたのは、とても嬉しかったです」
このように工業化に向けての課題解決に当たるというのも、アカデミアではなかなかできない経験である。ラボスケールでは望んだ結果が得られても、実機では思ったとおりの結果が得られないことも珍しくない。特に旭化成が手がける製品には、年間数十万トン規模で生産されるものも多い。社会や生活に欠かせないマテリアルを製造する企業だからこそ、工業スケールでの確かな解決が求められる。
「将来の工業化を見据えて、問題が起きたときには根本から解決しようとする姿勢が大切です。それが難しさであり、同時に面白さでもあります」
旭化成が掲げる“誠実”というバリューは、こうした姿勢にも表れている。
「ラボスケールでは発生していなかった問題でした。この問題を解決するために、不溶物の分析に加えて文献も調べ、1つ前の工程での副生物が不溶物の原因になっていることを突き止めました。再度ラボで前工程から検討し、改めて実施したベンチ運転で不溶物が発生しないことを確認できました。専門である有機合成の知識を活かして原因と解決策にたどり着けたのは、とても嬉しかったです」
このように工業化に向けての課題解決に当たるというのも、アカデミアではなかなかできない経験である。ラボスケールでは望んだ結果が得られても、実機では思ったとおりの結果が得られないことも珍しくない。特に旭化成が手がける製品には、年間数十万トン規模で生産されるものも多い。社会や生活に欠かせないマテリアルを製造する企業だからこそ、工業スケールでの確かな解決が求められる。
「将来の工業化を見据えて、問題が起きたときには根本から解決しようとする姿勢が大切です。それが難しさであり、同時に面白さでもあります」
旭化成が掲げる“誠実”というバリューは、こうした姿勢にも表れている。
04
信じる道を進みたい
「現在、私が取り組んでいるCO2誘導体技術開発は種々の化学品の製造に応用できるポテンシャルがありますが、その中でも高機能な誘導体に展開できるものをターゲットとして用途開発にも注力しています。チームとしてプロセス開発、用途開発の両面を進めており、そのためにも研究者としての引き出しを増やして、より洗練されたプロセスへ磨き上げていきたいと考えています」
米国がパリ協定からの離脱を表明するなど、脱炭素の潮流には逆風もある。しかし、そうした風に惑わされることなく、研究者として信じる道をひたすら突き進むことが大切だと考えている。それは、自分の研究がより良い世界をつくることにつながるという、揺るがない信念であり、最も強いモチベーションでもある。
「研究テーマが製品として結実し、実際に上市まで到達するケースは多くありません。多くのテーマは、途中の段階で止まってしまうことも珍しくないんです。そうした中でも、このテーマで“実用化へ一歩ずつ近づいている”と実感できる瞬間は多くありました。もっと腕を磨き、いつか自分の手がけた製品を世の中に送り出したいと強く思っています」
将来のキャリアについては、研究者として専門を極めていくのか、管理職としてマネジメントに携わるのか、正直まだ迷っているという。研究の第一線に立ち続けたいという思いは強い一方で、チームを束ね、メンバーを育てることにも面白さを感じ始めているからだ。
「研究以外の課題に挑戦することが、自分の殻を破るきっかけになるかもしれません。いずれは事業戦略に関わる役割も担えるように、上市まで導く力を身につけられたら嬉しいですね」
挑戦はまだ続く。
米国がパリ協定からの離脱を表明するなど、脱炭素の潮流には逆風もある。しかし、そうした風に惑わされることなく、研究者として信じる道をひたすら突き進むことが大切だと考えている。それは、自分の研究がより良い世界をつくることにつながるという、揺るがない信念であり、最も強いモチベーションでもある。
「研究テーマが製品として結実し、実際に上市まで到達するケースは多くありません。多くのテーマは、途中の段階で止まってしまうことも珍しくないんです。そうした中でも、このテーマで“実用化へ一歩ずつ近づいている”と実感できる瞬間は多くありました。もっと腕を磨き、いつか自分の手がけた製品を世の中に送り出したいと強く思っています」
将来のキャリアについては、研究者として専門を極めていくのか、管理職としてマネジメントに携わるのか、正直まだ迷っているという。研究の第一線に立ち続けたいという思いは強い一方で、チームを束ね、メンバーを育てることにも面白さを感じ始めているからだ。
「研究以外の課題に挑戦することが、自分の殻を破るきっかけになるかもしれません。いずれは事業戦略に関わる役割も担えるように、上市まで導く力を身につけられたら嬉しいですね」
挑戦はまだ続く。
休日の過ごし方
趣味は楽器演奏です。ピアノは1〜2カ月に一度のペースでレッスンに通っており、年に一度は小中学生に混じってピアノ教室の発表会に出場しています。大人は私とスーパーの副店長さんだけで、2人で「来年も出場しましょうね」と話しています。また、社外の吹奏楽団にもアルトサックスで参加しています。研究の仕事は、目に見える成果がすぐに出るものではありませんが、楽器演奏は練習した分だけ確かな上達を実感できるところが魅力です。「ここが弾けるようになった!」という瞬間の達成感は、やっぱり格別ですね。
ある一日の流れ
出社
実験開始
関係者と進捗報告、方針打ち合わせ
昼食
実験の合間に事務作業
エンジニアリング担当者との打ち合わせ
実験作業の続き
データ解析、文献調査、資料作成
退社