研究開発 ポリアセタール樹脂
パフォーマンスプラスチックス事業部 テナック技術開発部 プロダクト開発グループ
工学研究科高分子化学専攻修了 2017年入社

01
工場はインフラ、その未来を作る仕事
「就活生の皆さんにはピンとこないかもしれませんが、私、けっこうな“工場LOVER”なんです」そう語る尾坂。理由はこうだ。
「工場が元気だと、街も元気になるんです。工場はそこで働く人や地域の皆さんに支えられながら、同時に地域の雇用や暮らし、経済を支える存在であり、互いに支え合う関係の中で街の基盤となっています。そんな工場がかっこいいと思うし、だからこそ、技術開発を通して工場を引っ張っていきたい。できることなら工場の建設に携わってみたい、そんな夢もあります」
工場は、まさに社会インフラそのものだ。雇用や地域経済への貢献はもちろん、ここでつくられた素材を安定的に供給し続けることで、人々の生活を縁の下で支えている。旭化成を志望した理由の一つも、こうした“社会を支えるモノづくり”の魅力に惹かれたからだった。
「『Creating for Tomorrow~昨日まで世界になかったものを。』というグループスローガンが心に刺さったんです。新しいものを生み出すことが化学者としての社会貢献につながるし、社員がそのことに誇りを持っていると感じました」
入社の決め手となったもう一つのポイントが、フラットな社風だ。
「上司も部下も、気づいたことを率直に言い合える文化があります。昨日まで存在しなかった新しいアイデアが芽吹くのは、まさにこのカルチャーがあるからこそ。歴代の先輩方が積み重ねてきたこの風土は、旭化成の大きな魅力だと思います」
「工場が元気だと、街も元気になるんです。工場はそこで働く人や地域の皆さんに支えられながら、同時に地域の雇用や暮らし、経済を支える存在であり、互いに支え合う関係の中で街の基盤となっています。そんな工場がかっこいいと思うし、だからこそ、技術開発を通して工場を引っ張っていきたい。できることなら工場の建設に携わってみたい、そんな夢もあります」
工場は、まさに社会インフラそのものだ。雇用や地域経済への貢献はもちろん、ここでつくられた素材を安定的に供給し続けることで、人々の生活を縁の下で支えている。旭化成を志望した理由の一つも、こうした“社会を支えるモノづくり”の魅力に惹かれたからだった。
「『Creating for Tomorrow~昨日まで世界になかったものを。』というグループスローガンが心に刺さったんです。新しいものを生み出すことが化学者としての社会貢献につながるし、社員がそのことに誇りを持っていると感じました」
入社の決め手となったもう一つのポイントが、フラットな社風だ。
「上司も部下も、気づいたことを率直に言い合える文化があります。昨日まで存在しなかった新しいアイデアが芽吹くのは、まさにこのカルチャーがあるからこそ。歴代の先輩方が積み重ねてきたこの風土は、旭化成の大きな魅力だと思います」
02
ニーズに合わせた樹脂を開発
入社後、一貫して携わってきたのは『テナック™』の技術開発である。『テナック™』とは、摺動特性・靭性・疲労特性に優れたエンジニアリングプラスチックのポリアセタール(POM)樹脂で、主に自動車やOA機器の部品などに使用されている。身近なところでは、ファスナーや歯ブラシの部品にも用いられている素材だ。
「お客様の要望に合わせて特性を高めていくことが私の仕事です。例えばシートベルト部品にはより高い強度が必要ですし、歯ブラシのように薄く成形する場合は金型内で流れやすい特性が求められます。こうした要求を満たすよう組成を設計することが主な仕事ですが、そこから先の試作、量産化、各種法規制の確認や特許申請など、製品として世の中に出すための多くの工程にも携わっています」
直近で取り組んだのは、医療用途に対応する高品質グレードのポリアセタール樹脂の開発である。医療用だけに安全性基準は非常に厳しいが、開発した製品は生体適合試験を見事クリアした。
「はじめは生体適合試験に影響する因子が分からず苦労しましたが、調査を重ねて原因となる不純物を突き止めました。この不純物を工場と連携して取り除くことに成功し、製品化に至りました」
旭化成では、ポリアセタール樹脂を半世紀以上製造してきた歴史がある。とはいえ、この素材のすべてを完全に理解できているわけではない。化学製品に共通することだが、まずは素材を利用しながら新たな課題を発見し、その都度改良を重ねてきたというのが実態だ。
「お客様の課題を一つ解決すると、また次のニーズが生まれる。その繰り返しの中で、試行錯誤しながら特性を磨き上げています。まだまだ分からないことがあるからこそ大切なのは、仮説を立てて論理的にアプローチするための知識と、まずはやってみるという姿勢です。遠回りしながら正解に近づくこともあれば、意外と早くたどり着けることもあります」
それはまさに、メーカーの現場で日々繰り返されるリアルそのものだ。
「お客様の要望に合わせて特性を高めていくことが私の仕事です。例えばシートベルト部品にはより高い強度が必要ですし、歯ブラシのように薄く成形する場合は金型内で流れやすい特性が求められます。こうした要求を満たすよう組成を設計することが主な仕事ですが、そこから先の試作、量産化、各種法規制の確認や特許申請など、製品として世の中に出すための多くの工程にも携わっています」
直近で取り組んだのは、医療用途に対応する高品質グレードのポリアセタール樹脂の開発である。医療用だけに安全性基準は非常に厳しいが、開発した製品は生体適合試験を見事クリアした。
「はじめは生体適合試験に影響する因子が分からず苦労しましたが、調査を重ねて原因となる不純物を突き止めました。この不純物を工場と連携して取り除くことに成功し、製品化に至りました」
旭化成では、ポリアセタール樹脂を半世紀以上製造してきた歴史がある。とはいえ、この素材のすべてを完全に理解できているわけではない。化学製品に共通することだが、まずは素材を利用しながら新たな課題を発見し、その都度改良を重ねてきたというのが実態だ。
「お客様の課題を一つ解決すると、また次のニーズが生まれる。その繰り返しの中で、試行錯誤しながら特性を磨き上げています。まだまだ分からないことがあるからこそ大切なのは、仮説を立てて論理的にアプローチするための知識と、まずはやってみるという姿勢です。遠回りしながら正解に近づくこともあれば、意外と早くたどり着けることもあります」
それはまさに、メーカーの現場で日々繰り返されるリアルそのものだ。
03
知見の蓄積こそ、最大の強み
半世紀以上扱ってきた素材。それでも、新しい発見と改良の余地がある。入社3年目に経験した、今でも印象に残る出来事がある。
「プラスチック製品に高級感を与えるため、シボ加工を施すことがあります。成形の際に金型の凹凸模様を製品に転写させるという仕組みです。そういった加工をされているお客様の成形工程で、ポリアセタール樹脂に含まれる添加剤が金型に蓄積するという問題が発生しました。そのため金型の凹凸が埋まってしまい、シボ柄にならなくなってしまったんです。お客様はその都度金型をきれいにしなくてはならないから、当然生産効率が下がる。何とかしてほしい、という要望でした」
課題解決の糸口は、化学の知識にあった。大学院で培った化学構造の理解をもとに、分子設計のアプローチで原因を推測。金型汚れを改善できる新しい化合物を提案し、合成検討を重ねた結果、問題は解消された。ただ、その方法はコスト的に見合わないために採用には至らず、最終的には、従来添加剤の配合量を調整するという現実的な解決策に落ち着いたという。これもまたメーカーのリアルである。だが、こうして新しい知見を積み重ねていくこと自体も技術者としての醍醐味だ。
「提案がそのまま採用されなかったことは確かに残念でした。でも、手つかずの領域を見つけて挑戦し、試行錯誤を重ねた結果、今後につながる新しい指針を得られたことは部署にとって大きな財産だと感じています。コストがかかってもいいからその添加剤を使いたいといわれることがあるかもしれませんし、たとえそれが数年後のことであっても、この知見は必ずどこかで役に立つはずです」
新しい課題に挑むとき、積み重ねた知見を取り入れ、活かすことで次の解決策が生まれる。こうした循環が技術力を深化させるうえで重要だ。
「部署には30年前の事例まで覚えている大先輩がいて、よく相談に乗っていただいています。まさに生き字引のような存在で、その支えがとても心強いんです。こうした人がそばにいることも、旭化成の大きな魅力だと感じています」
「プラスチック製品に高級感を与えるため、シボ加工を施すことがあります。成形の際に金型の凹凸模様を製品に転写させるという仕組みです。そういった加工をされているお客様の成形工程で、ポリアセタール樹脂に含まれる添加剤が金型に蓄積するという問題が発生しました。そのため金型の凹凸が埋まってしまい、シボ柄にならなくなってしまったんです。お客様はその都度金型をきれいにしなくてはならないから、当然生産効率が下がる。何とかしてほしい、という要望でした」
課題解決の糸口は、化学の知識にあった。大学院で培った化学構造の理解をもとに、分子設計のアプローチで原因を推測。金型汚れを改善できる新しい化合物を提案し、合成検討を重ねた結果、問題は解消された。ただ、その方法はコスト的に見合わないために採用には至らず、最終的には、従来添加剤の配合量を調整するという現実的な解決策に落ち着いたという。これもまたメーカーのリアルである。だが、こうして新しい知見を積み重ねていくこと自体も技術者としての醍醐味だ。
「提案がそのまま採用されなかったことは確かに残念でした。でも、手つかずの領域を見つけて挑戦し、試行錯誤を重ねた結果、今後につながる新しい指針を得られたことは部署にとって大きな財産だと感じています。コストがかかってもいいからその添加剤を使いたいといわれることがあるかもしれませんし、たとえそれが数年後のことであっても、この知見は必ずどこかで役に立つはずです」
新しい課題に挑むとき、積み重ねた知見を取り入れ、活かすことで次の解決策が生まれる。こうした循環が技術力を深化させるうえで重要だ。
「部署には30年前の事例まで覚えている大先輩がいて、よく相談に乗っていただいています。まさに生き字引のような存在で、その支えがとても心強いんです。こうした人がそばにいることも、旭化成の大きな魅力だと感じています」
04
事業を牽引する力
『テナック™』の工場は他社に比べて規模が小さいため生産量に限りがあり、単純な価格競争では不利な立場にある。
「だからこそ、技術開発が事業を牽引する原動力になると考えています。他社が真似できない製品を生み出せば、その製品は高く評価され、高く売ることができます。限られた生産量の中で事業を成長させるためには、より高付加価値な製品開発が不可欠であり、それを実現することが私の重要なミッションだと思っています」
開発リーダーとして事業を支える立場になったとき、大学院時代に培った力が必ず活きると考えているという。
「アカデミアと企業は遠い世界と思われがちですが、実際には共通点が多くあります。過去の知見をもとに仮説を立て、手法を工夫して課題を乗り越えていく楽しさは、学生時代の研究と変わりません。課題を見つけ、本質を見極めること、論理的に考えることが大切なのも同じです。アカデミアでの研究生活と同じように探究心を満たせる環境なので、ぜひ多くの方に興味を持っていただけたらと思います」
「だからこそ、技術開発が事業を牽引する原動力になると考えています。他社が真似できない製品を生み出せば、その製品は高く評価され、高く売ることができます。限られた生産量の中で事業を成長させるためには、より高付加価値な製品開発が不可欠であり、それを実現することが私の重要なミッションだと思っています」
開発リーダーとして事業を支える立場になったとき、大学院時代に培った力が必ず活きると考えているという。
「アカデミアと企業は遠い世界と思われがちですが、実際には共通点が多くあります。過去の知見をもとに仮説を立て、手法を工夫して課題を乗り越えていく楽しさは、学生時代の研究と変わりません。課題を見つけ、本質を見極めること、論理的に考えることが大切なのも同じです。アカデミアでの研究生活と同じように探究心を満たせる環境なので、ぜひ多くの方に興味を持っていただけたらと思います」
休日の過ごし方
休日には美術館巡りや海沿いのドライブ、カフェでのんびり過ごすことなどを楽しんでいます。絵を描くのも好きで、昨年は部長の似顔絵を描いて、工場の文化祭に出展しました。部長はその似顔絵をアイコンとして使ってくれています。上司と部下のそんな関係も、心地よいものです。
ある一日の流れ
出社、メールチェック、実験機器の予熱
テーマ打ち合わせ
実験開始
昼食
実験再開
テーマ打ち合わせ
実験片付け
テーマ打ち合わせ
退社