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来住野慎吾

現場で活きる知識を手に、
解決の扉を開く

2017年入社
機械電子工学科卒

来住野 慎吾

SHINGO KISHINO

延岡第一設備技術部 第一電気技術課 愛宕担当

来住野慎吾

電気だからできることがここにある

「旭化成=サランラップのイメージが強かったため、化学系出身が中心に活躍していると思っていた」。機械電子の分野に特化して学んできた来住野の旭化成へのイメージを覆したのは、生まれ育った東京から遠く離れた延岡でのインターンシップだった。同じく電子を得意とする先輩が入社していたこともあり、働きやすい社風だとの事前に知ってはいたものの、軽い気持ちで延岡でのインターンシップに参加。ここで来住野は、エネルギー総部に足を踏み入れ、世界No.1シェアの製品を生産するための動力系統を目の当たりにする。西日本と東日本では異なる電力を調整する周波数変換装置も有し、生産に必要な動力源をこの発電所で作っているのか−。衝撃を受けた来住野の中で、「ここで自分の知識を活かして働いてみたい」という気持ちが芽生えた。
延岡に配属された来住野。宮崎には全く縁がなかったが、インターンシップでの滞在経験から、延岡で働くことに躊躇はなかった。新入社員研修後に生産技術センター 電気技術部で設計教育を8カ月間受講。ここで来住野は、在学中は触れなかった電気設備の設計に必要な知識、社の設計標準や法的なことまで、現場で活躍する設計チームから、現場で活きる着眼力と知識を得た。指導期間を終え、設備技術センターのケミカル事業を担う延岡第一設備技術部 第一電気技術課に配属となった。会社の核となるマテリアル系の原料供給工場である愛宕事業所を担当し、現在は自動車のシリンダーヘッドカバーやタイヤ内のタイヤコードなどに利用されているレオナ樹脂製造の原料となる、水素・苛性ソーダ・塩素などを生産する化学プラントの電気設備の設計と保全を担っている。
「“電気の仕事=電気工事士”ではなく、むしろ設備の修理や工事を委託する側。そのためには、ただ自分が手を動かすための理解以上のことが必要です」。自分で修理をするなら、自分が理解できていればいい。でも保全担当者として、外注先に点検や修理の指示を出す立場。そのために、設備のことはもちろん、設計時の計算や測定器の操作など、必要なときに取り出せる知識は、入社後の研修で身につけてきた。入社1年目にして、来住野はその知識をフルに活かすこととなる。

来住野慎吾

心臓部を守るために知識を実践で活かしていく

約8ヵ月の設計教育を終え、現部署に配属となった来住野に待っていたのは、「保護協調」検討だった。愛宕にある主動力源をどう保護するか。万が一電気トラブルが起きた場合、どう対処できるのか。もし主動力源が遮断してしまった場合、愛宕事業所すべてが停止し、何億もの損失を被る可能性がある。まさに心臓部に携わる業務だ。それならば、主となる動力の遮断器と来住野が担当するプラントの遮断器を協調させ、主動力の遮断器よりも先に、自分のプラントの遮断器が作動するようにしたい。それには時間と電流から遮断機の作動時間を導き出す「保護協調曲線」を作成し、遮断器が時間差で作動するよう、数秒単位の動作曲線を描いていく必要がある。来住野は、通常なら入社10年を経て理解が求められるこの難題に取り組んだ。「絶対に主動力は守り、自分のプラントの遮断器だけ飛ばすようにする。それを決めて設計しました」。設計には、数式のような答えがない。来住野はそのつど現場を見て、機器の仕様や設備を確認することで、正解の範囲を導き出した。現在も自身で曲線を描き、専門的に対応している協力会社の担当者が描いた曲線と見比べながら、変更ポイントの検討を続けている。
愛宕事業場では、危険物と分類される原料を扱っているため、小さなミスが爆発にもつながる。硝酸と硫酸の混合物である混酸もその一つ。混酸ポンプを更新した直後、警報装置が動作して、起動時に停止してしまうトラブルが発生した。ポンプの振動を電圧に変換する電気機器が付いていたため、解決には電気担当の来住野が呼ばれた。考えうるすべての原因を洗い出し、数十あるうちから3つに絞り込む。現場へ足を運び、機械担当や設備メーカーの担当者と検証を重ね、起動時の電流が高いのでは、と仮説を立てた来住野は、波形を瞬時に測定できる「メモリハイコーダ」を使用。測定データの結果から、電圧の発信側と受信側の統合がとれておらず、型式が違うことによるエラーだったと特定。無事、原因解明に導いた。「自分が測定したデータが解明の切り口になったことで、データの大切を実感。そのためにもまずは現場へ行き、状況を確認して原因を追求する姿勢を大事にしています」。この考え方は、来住野が設計教育時代に養った賜物だ。

来住野慎吾

人との繋がりをカタチに

来住野の朝は、現場から始まる。「まず出社したら製造の現場へ向かい、現場の方と話をします。そして、工事の発注をする日であれば、協力会社の方へ現場説明するのも、大切な業務。基本的に一人で黙々と仕事をしている時間はほぼないですね」。来住野が担当するプラントには、製造・機械・計装・電気と、それぞれ担当者がいる。そこに、施工企業など外部のプロも加わり、積極的にコミュニケーションを取っている。それが、安全で安定した現場作りに繋がることを、来住野は知っているからだ。
愛宕事業場の休転工事の際、第一電気技術課配属3カ月目だった来住野は、停配電作業の手順書の作成と作業監視役に抜擢され、手順書の見直しを図った経験がある。「事業場内の停電とはいえ、活線中の盤がある。作業者が間違えて触れてしまうと感電してしまう。系統図で明確に示すことにより、誰が見てもわかるよう心がけました」。自分ではない他の人の目から見ても、危険を回避できるように、そして作業しやすくなるように、現在でも手順書の改善は怠らない。「人との連結が図れていないと事故になりかねないので、変更箇所は随時課内で共有し、改善点は即手順書に反映します」。現場の声を積極的に聞き、改善して常に進化させる。なぜなら、そこに人が関わっているから。在学中に学んできた電気系の知識と経験をベースに、入社後の現場や研修による経験を活かし、知見を広げてきた。それが今、現場で存分に発揮できている。
「できるだけ人と繋がる仕事がしたいと思っていた」と話す来住野は、今まさに“人との繋がり”を大切にはぐくみ、頼られる存在としての責任感を胸に歩んでいる。

アウトドアで九州の自然を満喫

平日はサッカーとバドミントンの練習、月に1度はサッカーの試合、また2カ月に1回の事業所のレクリエーションにも参加。他の課の社員との交流も楽しみの一つ。また、先輩と一緒に川遊びやスノーボードなどにも出かけ、東京ではなかなか経験できなかった豊かな自然の中でのひと時を九州の地で満喫している。

来住野慎吾